結論:発達障害の疑いがある小学生を持つ保護者は、診断の有無にかかわらず相談窓口に連絡することが最初の一歩です。さいたま市では、医療・学校・福祉の各領域に支援の選択肢があり、相談支援事業所を通じて子どもの状況に合った支援計画を作成できます。障害児相談支援は市区町村が費用を負担する制度のため、保護者の自己負担はありません。まずは相談支援事業所や市の窓口に問い合わせることで、次のステップが具体的に見えてきます。
「小学校に入ってから、授業についていけない」「友達とのトラブルが続いている」「担任の先生から発達の相談を勧められた」——こうした状況に直面したとき、保護者はどこに相談すればよいか、何から手をつければよいか、わからないまま時間が過ぎてしまうことがあります。この記事では、さいたま市で発達障害のある(または疑いのある)小学生が利用できる支援の種類と、相談から支援開始までの流れを整理して解説します。
発達障害の疑いがある小学生、まず何をすればよいか
「診断がないと相談できない」は誤解
発達障害に関する相談や福祉サービスの利用を検討するとき、「まず病院で診断を受けなければならない」と思っている保護者は少なくありません。しかし、相談支援事業所や市の窓口への相談は、診断の有無にかかわらず行うことができます。「発達障害かもしれない」という段階でも、専門家に状況を話すことで、次に取るべき行動が見えてきます。
診断は医療機関が行うものですが、相談・支援計画の作成・福祉サービスの利用は、診断書がなくても進められる場合があります。まず相談することを、出発点として考えてください。
小学校入学後に気づくことが多い発達の困りごと
発達障害の特性は、集団生活の中で顕在化しやすい傾向があります。幼稚園・保育園では目立たなかった困りごとが、小学校入学後に「授業中に座っていられない」「板書を写すのが難しい」「友達との関係がうまくいかない」といった形で表れることがあります。
こうした困りごとは、子ども本人の努力不足ではなく、脳の特性に起因している場合があります。早めに状況を整理し、適切なサポートにつながることが、子どもの学校生活の質を高める一助になります。
相談の第一歩:まず窓口に連絡するだけでよい
「何を話せばよいかわからない」という状態でも、相談窓口に連絡することは可能です。子どもの年齢・学年・困っている状況を簡単に伝えるだけで、担当者が次のステップを一緒に考えてくれます。完璧に状況を整理してから相談する必要はありません。

さいたま市で発達障害のある小学生が利用できる支援の種類
支援の選択肢は、大きく「医療」「教育」「福祉」の3つの領域に分かれます。それぞれの役割を理解しておくと、相談先を選びやすくなります。
医療機関(発達外来・小児科)での診断・相談
発達障害の診断は、小児科や児童精神科などの医療機関が行います。さいたま市内にも発達外来を設けている医療機関があります。診断を受けることで、子どもの特性が明確になり、学校や福祉機関との連携がスムーズになる場合があります。ただし、初診まで数か月待ちになることも多いため、早めに問い合わせることをお勧めします。
学校・教育委員会による支援(特別支援学級・通級指導など)
さいたま市の公立小学校では、通常学級のほかに特別支援学級や通級指導教室が設置されています。特別支援学級は、障害の特性に応じた少人数での指導を行う学級です。通級指導教室は、通常学級に在籍しながら週に数時間、個別の指導を受ける仕組みです。利用にあたっては学校や教育委員会との相談・手続きが必要です。
福祉サービス(放課後等デイサービスなど)の活用
放課後等デイサービスは、障害のある子どもが放課後や長期休暇中に通える福祉サービスです。学習支援・生活訓練・社会性の育成など、事業所によって特色が異なります。小学生から高校生まで利用できる事業所が多く、さいたま市内にも複数の事業所があります。利用には受給者証の取得が必要です。
相談支援事業所による支援計画の作成
発達障害の子どもの相談先や相談支援事業所の役割については、こちらの記事
相談支援事業所は、子どもの状況を整理し、どの福祉サービスをどのように組み合わせるかを示す「障害児支援利用計画」を作成する機関です。保護者が一人で支援の全体像を把握しようとすると負担が大きくなりますが、相談支援事業所がその調整役を担います。発達障害の子どもの相談先や相談支援事業所の役割については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
障害児相談支援とは?相談支援事業所の役割を知る
障害児支援利用計画とは何か
障害児支援利用計画とは、子どもの状況・ニーズ・目標をもとに、利用する福祉サービスの種類・頻度・目的などをまとめた計画書です。放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を利用する際に、この計画書の提出が必要になります。計画は相談支援事業所が作成しますが、保護者や子ども本人の意向を反映して作られるものです。
相談支援事業所が行うこと(計画作成・モニタリング)
障害児相談支援事業の意味・役割・利用の流れについては、こちらのピラー記事
相談支援事業所の主な役割は、①障害児支援利用計画の作成と、②定期的なモニタリング(計画の見直し・確認)の2つです。計画を作って終わりではなく、子どもの成長や状況の変化に合わせて計画を更新していく継続的な支援が含まれます。障害児相談支援事業の意味・役割・利用の流れについては、こちらのピラー記事で体系的にまとめています。
費用は自己負担なし:市区町村負担の仕組み
障害児相談支援(障害児支援利用計画の作成・モニタリング)にかかる費用は、市区町村が負担する仕組みになっています。保護者が相談支援事業所に直接費用を支払う必要はありません。この制度は児童福祉法に基づくものです。ただし、実際の手続きや費用の詳細については、さいたま市の担当窓口または相談支援事業所に確認することをお勧めします。
「学校以外の選択肢」を視野に入れた計画作成という考え方
支援計画は、学校での支援だけを前提にする必要はありません。子どもによっては、学校以外の学び場や活動の場が、より力を発揮できる環境になることがあります。IT教育の現場や多様な学び場との連携を視野に入れながら、既存の枠にとらわれない計画を作成できる相談支援事業所も存在します。子どもの特性や保護者の希望に合わせて、柔軟に選択肢を検討することが大切です。

さいたま市で相談支援事業所を利用する流れ
相談支援事業所を利用するまでの流れは、おおむね以下のステップで進みます。詳しい手続きの内容はこちらの記事(障害児相談支援の相談先の選び方と利用の流れ)も参考にしてください。
STEP1:市区町村の窓口または相談支援事業所に相談
最初のステップは、さいたま市の障害福祉担当窓口(各区の区役所福祉課など)または相談支援事業所に連絡することです。どちらに先に相談しても構いません。子どもの状況を伝えると、次の手続きについて案内を受けられます。
STEP2:受給者証の申請
放課後等デイサービスなどの障害児通所支援を利用するには、「障害児通所受給者証」が必要です。受給者証はさいたま市の窓口に申請します。申請に必要な書類や手続きの詳細は、さいたま市の担当窓口に直接確認することをお勧めします(書類の種類や手続きは変更される場合があります)。
STEP3:障害児支援利用計画の作成
受給者証の申請と並行して、相談支援事業所が障害児支援利用計画を作成します。保護者や子どもの意向をヒアリングしながら、利用するサービスの種類・頻度・目標などを整理します。計画書は市区町村に提出され、受給者証の発行に活用されます。
STEP4:サービス利用開始とモニタリング
受給者証が発行されると、計画に基づいて福祉サービスの利用を開始できます。その後も相談支援事業所が定期的にモニタリングを行い、計画が子どもの状況に合っているかを確認・更新していきます。
さいたま市で相談支援事業所を選ぶときのポイント
対応年齢・対応地域を確認する
相談支援事業所によって、対応できる年齢層や対応地域が異なります。小学生から高校生まで対応している事業所もあれば、未就学児を中心としている事業所もあります。さいたま市内でも、拠点となる区や対応エリアを確認してから問い合わせると、スムーズです。
子どもの状況や希望に合った支援方針かどうか
相談支援事業所は、単に計画書を作成するだけでなく、保護者や子どもの意向を丁寧に聞き取り、状況に合った支援の方向性を一緒に考える役割を担います。事業所の支援方針や担当者との相性も、長期的な関係を築くうえで重要な要素です。初回の相談時に、どのような考え方で計画を作成しているかを確認してみることをお勧めします。
「学校以外の学び場」も視野に入れた提案ができるか
発達障害のある子どもの中には、通常の学校環境が合わず、不登校状態になるケースもあります。そうした場合、学校以外の学び場(フリースクール・IT教育の場など)を含めた選択肢を提案できる事業所かどうかも、選ぶ際の視点の一つになります。不登校と障害が重なったときの相談先については、こちらの記事も参考にしてください。
こども相談支援 Un-School計画について
さいたま市浦和区を拠点とする「こども相談支援 Un-School計画」は、2024年に新規オープンした相談支援事業所です。未就学児から高校生を対象に、障害児支援利用計画の作成と継続的なモニタリングを行っています。「学校以外の選択肢を作る」という視点を大切にしており、IT教育現場との連携など、既存の枠にとらわれない柔軟な計画作成を特徴としています。費用は市区町村負担のため、保護者の自己負担はありません。
現在の営業日は月曜日(10:00〜17:00)です。対応可能な日程や相談方法の詳細については、公式サイトからご確認ください。
こども相談支援 Un-School計画(さいたま市浦和区)
障害児支援利用計画の作成・モニタリングを自己負担なしで対応しています。学校以外の選択肢も含めた柔軟な計画作成を希望する方は、公式サイトからお問い合わせください。
📍 埼玉県さいたま市浦和区上木崎1-7-1 近代模型ビル2・3階
🕐 月曜日 10:00〜17:00