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不登校特例校について

2024.12.20

【概要】

不登校のお子さんがいらっしゃるご家庭では、お子さんの将来に向けて新たな一歩を踏み出すための選択肢を探している方は多いでしょう。

本記事では不登校のお子さんの新たな一歩となる、不登校特例校の概要・特徴・関東における不登校特例校の実例に関して紹介します。

早速記事の内容を見ていきましょう。

不登校特例校とは?

O-DANより引用

不登校特例校についての概要や、不登校特例校への入学条件に関して見ていきましょう。

不登校特例校の概要

不登校特例校とは、不登校になってしまった子どもへの配慮が徹底されている学校を指します。

不登校特例校は学校教育法施行規則改正により、平成17年7月6日に初等中等教育局長通知において周知されました。

制度の詳しい概要に関しては、以下の文部科学省「不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要」の抜粋事項を確認しましょう。

不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する必要があると認められる場合、文部科学大臣が、学校教育法施行規則第56条に基づき(第79条(中学校)、第79条の6(義務教育学校)、第86条(高等学校)、第108条(中等教育学校)において準用)、学校を指定し、特定の学校において教育課程の基準によらずに特別の教育課程を編成して教育を実施することができます。
(参考:文部科学省「不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要」)

前述の内容をかいつまんでお伝えすると、不登校特例校とは不登校児童に対して配慮が行き届いている教育が必要であると認められた場合に限り、特別な教育過程を編成し教育実施が可能であるということです。

特別な教育過程に関して文部科学省の資料では、以下の通りの記述があります。

特別の教育課程とは,憲法,教育基本法の理念を踏まえ,学校教育法に定める学校教育の目標の達成に努めつつ,施行規則の定めにかかわらず編成される教育課程であること

(参考:文部科学省「不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要」)

前庭として一般的な学校では学校教育の目的に沿って、学年ごとにおける授業時間や学習計画が決定します。

そのため児童生徒の習熟度に関わらず、教育過程に沿って一定のペースを保ちながら授業が進みます。

一方の不登校特例校では、教育課程に沿った教育を施す必要がなく、不登校の児童や生徒に適した教育過程を実施しています。

不登校特例校における教育課程は主に以下の点が挙げられます。

  • 少人数指導
  • 習熟度別指導
  • 家庭訪問
  • 保護者への支援
  • 学校外プログラムの積極的な活用

(参考:文部科学省「不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要」)

不登校特例校の入学条件3選

不登校特例校は、誰でも希望すれば入学可能な学校ではなく、入学する際には以下2つのポイントをクリアする必要があります。

  1. 不登校の判断基準である年間の欠席日数が30日以上であるか否か
  2. 年間の欠席日数が30日以上かつ、各学校・教育委員会含む管理期間が不登校か否かを判断する

前述の通り不登校特例校へ入学する場合、2つの条件を満たす必要があります。

したがって不登校特例校に通えるか否かは、児童・生徒または親御さんだけでは判断できず、関連機関における不登校であるに認定が必要となります。

不登校特例校への入学または転入を考えている場合は、現在通学している学校や居住地の教育委員会などに問い合わせを行いましょう。

不登校特例校における特徴5選

O-DANより引用

不登校特例校における特徴は以下5つが挙げられます。

  • 生徒と教員の人数
  • 授業の時間
  • 個別指導・少人数授業の実施
  • 多様な授業内容の充実
  • 進路指導

以下でそれぞれの特徴について詳しく紹介します。

特徴① 生徒と教員の人数

不登校特例校における特徴の1つ目は、生徒と教員の数が一般的な学校と比べ差がある点です。

東京八王子市にある不登校特例校「八王子市立高尾山学園」を参考にすると、各学年における生徒数は以下の通りです。

小学4年生~5年生 学級数:1 男:1名 女:2名 計3名

小学6年生      学級数:1 男:0名 女:1名 計1名

中学1年生      学級数:1 男:6名 女:6名 計12名

中学2年生      学級数:1 男:12名 女:11名 計23名

中学3年生      学級数:1 男:15名 女:13名 計28名

一般的な学校における1学級あたりの店員は、小学校で35名・中学校で40名となっています。

一方不登校特例校では1学級あたり基本的に30人未満または、児童生徒が少ない場合は5人未満であるケースも存在します。

また教員数に関しては「八王子市立高尾山学園」を参考に、以下の通り学校内に配置されています。

管理職                   3名

教員                    15名(小学部:4名・中学部:11名)

中学部専任教諭(市専門職:国数英)       4名

指導補助員                 8名

スクールサポートスタッフ          2名(小学部:1名・中学部:1名)

登校支援チーム(市学校教育部教育支援課) 1名

心理相談員                 4名

プレイルーム担当              4名

前述の通り不登校特例校であっても生徒に対する教員数は十分確保され、教員一人当たりが受け持つ児童・生徒数が限られるため、しっかり配慮が行き届く環境です。

さらに校内には一般教員の他に、登校支援チームや心理相談員などの不登校の児童・生徒のサポートをより専門的に行えるスタッフも在籍しているため、手厚い配慮やサポートが期待できるでしょう。

特徴② 授業の時間

不登校特例校における特徴の2つ目は、授業時間です。

一般的な学校では教育課程により、各項目の授業時間や授業計画が決められています。

一方不登校特例校では特別の教育課程が認められているため、授業時間は学校独自で決めることが可能です。

不登校特例校の中には、一般的な学校における教育課程である、各教科の授業数や総合的な学習時間が少なめになっています。

一方でコラボライト・ライフプランニング・リカバリーなどの、学校独自の授業が組み込まれています。

したがってどのような授業に、どのくらいの時間が割り当てられているのかは各学校によって異なるため、入学希望する不登校特例校の授業時間を事前に確認しておきましょう。

特徴③ 個別指導・少人数授業の実施

不登校特例校における特徴の3つ目は、個別指導や少人数授業が実施される点です。

今回は、神奈川県横浜市にある不登校特例校のひとつ、星槎中学校を例に見ていきましょう。

星槎中学校の個別指導ではIEPと呼ばれる、個別指導計画が取り入れられています。

不登校特例校では、生徒の特性や状況に合わせた指導ができる取り組みが実施される場合が多いため、一般的な学校授業の進度について行けず不登校になってしまった児童・生徒にとっては心強いサポート体制が整っています。

また星槎中学校の少人数授業では、各教科における習熟度によってクラス編成が行われています。

不登校になってしまった原因はさまざまですが、習熟度別のクラス編成や少人数授業であれば、安心して学校で授業を受けられるでしょう。

特徴④ 多様な授業内容の充実

不登校特例校における特徴の4つ目は多様な授業内容です。

不登校特例校では特別の教育課程で授業が行われるため、学校側が独自で考えた不登校の子どもたちに必要な内容を授業へ積極的に取り入れています。

授業内容は不登校特例校によって、多様な授業内容となっているため、入学希望の不登校特例校があれば事前にどのような授業内容なのか確認しておくと良いでしょう。

特徴⑤ 進路指導

不登校特例校における特徴の5つ目は、進路指導です。

一般的な学校においても進路指導は行われていますが、不登校特例校の進路指導は手厚く行っている傾向にあります。

不登校特例校における進路指導では、それぞれの児童・生徒が希望する進学先に進めるように、学習面に加え生活面での習熟度別指導を行っています。

さらに私立中学校における不登校特例校では、進学面において高等学校と連携している場合もあります。

関東の不登校特例校

関東にある以下の不登校特例校における、コンセプトや対象者について詳しく紹介します。

  • 【大田区】大田区立 御園中学校分教室 不登校特例校 みらい学園中等部
  • 【世田谷区】世田谷区立 世田谷中学校 ねいろ分教室
  • 【国立市】学校法人NHK学園 NHK学園東京本校

【大田区】大田区立 御園中学校分教室 不登校特例校 みらい学園中等部

大田区立 御園中学校分教室 不登校特例校 みらい学園中等部のコンセプトは、人間尊重の精神を基本として自主性・意欲的に行動できる人間性豊かな生徒の育成を目指しています。

その上でひとりひとりの可能性を限りなく伸ばしていく、教育を推進しています。

教育目標として以下の目標を掲げています。

  • 自他を尊重する生徒を育てる
  • 進んで学ぶ生徒を育てる
  • 心身を鍛える生徒を育てる
  • 社会に貢献する生徒を育てる

対象者は以下3つの基準に当てはまる生徒です。

  • 大田区立中学校に在籍している生徒
  • 心理的不安傾向が強く、連続または継続的に30日以上の長期欠病の生徒(病気または経済的理由を除く)
  • 大田区教育委員会分教室入退室検討委員会が適当と認めた生徒

【世田谷区】世田谷区立 世田谷中学校 ねいろ分教室

世田谷区立 世田谷中学校 ねいろ分教室のコンセプトは、区内の不登校生徒を対象にひとりひとりのチャレンジ意欲を支援しています。

個性や意欲を伸ばし社会の一員として自立可能な力を育むことを目的とし、令和4年に開設しました。

学級目標として以下の目標を掲げています。

  • 基礎学力や基礎体力な学力の向上および体力の充実
  • 社会性の育成
  • 基本的な生活習慣の確立

対象者は前述で記載した大田区立 御園中学校分教室 不登校特例校 みらい学園中等部と同一のため割愛。

【国立市】学校法人NHK学園 NHK学園東京本校

学校法人NHK学園 NHK学園東京本校は、NHK高校講座の視聴や独自のネット学習システムを通した学習など、自宅でできる学習が充実しています。

在校生が最も多く在籍しているスタンダードコースの場合、月1~2回の登校または年1回のため、通学に関する負担は大幅に軽減可能です。

さらに対象者は不登校を経験した生徒を受け入れています。