結論:子どもの不登校と発達障害の疑いが重なったとき、相談先は学校だけではありません。さいたま市には、教育・医療・福祉それぞれの相談窓口があり、状況に応じて使い分けることができます。なかでも「相談支援事業所」は、障害児支援利用計画の作成やモニタリングを保護者の自己負担なしで担う公的な仕組みです。学校復帰にこだわらず、子どもに合った学び場を一緒に考えてくれる事業所もあります。
子どもが学校に行けなくなり、発達障害の疑いも浮かんできた——そのような状況で「まず誰に相談すればよいのか」と迷う保護者の方は多くいます。学校、医療機関、市の窓口、福祉サービス……選択肢が多いほど、かえって動き出せなくなることがあります。この記事では、さいたま市で子どもの不登校・発達障害に関して相談できる窓口の種類と役割の違いを整理し、自分の子どもの状況に合った相談先へ動き出すための見通しを提供します。

子どもの不登校と発達障害の疑いが重なったとき、相談先に迷う理由
学校・医療・福祉、窓口が多くて迷いやすい
不登校に関わる相談窓口は、大きく分けると「教育」「医療」「福祉」の3つの領域にまたがっています。それぞれが独立した制度のもとで動いているため、どの窓口がどこまで対応してくれるのかが外からはわかりにくい構造になっています。
たとえば、学校のスクールカウンセラーは教育相談には対応できますが、福祉サービスの申請手続きは担当外です。医療機関は診断や治療を行いますが、日常的な支援計画の調整は行いません。福祉の窓口は支援サービスの調整を担いますが、教育的な対応には限界があります。こうした「縦割り」の構造が、保護者の迷いを生みやすくしています。
「まず学校に」だけでは解決しないケースがある
不登校の背景に発達障害の特性が関係している場合、学校内の対応だけでは子どもの困りごとに十分に応えられないことがあります。授業の形式や集団生活のルールが、その子どもにとって大きな負担になっているケースでは、学校環境そのものを見直す視点が必要になることもあります。
「学校に戻ることが目標」という前提で動くと、子どもにとって必要な支援の幅が狭まってしまう可能性があります。まずは子どもの状態を多角的に把握し、適切な窓口につながることが重要です。
さいたま市で子どもの不登校・発達障害を相談できる主な窓口
学校・教育委員会の相談窓口
在籍している学校の担任や特別支援コーディネーター、スクールカウンセラーは、学校生活に関する相談の入り口として機能します。さいたま市教育委員会には教育相談に関する窓口が設けられており、不登校に関する相談にも対応しています。ただし、福祉サービスの申請や医療的な判断は、それぞれ別の窓口が担います。
※さいたま市教育委員会の相談窓口の正式名称・連絡先は、さいたま市公式サイトで最新情報をご確認ください。
医療機関(小児科・発達外来)
発達障害の疑いがある場合、かかりつけの小児科や発達外来への受診が診断の入り口になります。診断を受けることで、学校や福祉機関との連携がスムーズになる場合があります。ただし、発達外来は予約が取りにくいことが多く、受診までに時間がかかるケースも少なくありません。診断の有無にかかわらず、福祉の相談窓口を並行して利用することも可能です。
市の福祉窓口(障害福祉課など)
さいたま市では、障害のある子どもや発達に心配のある子どもに関する福祉サービスの相談を、市の障害福祉担当窓口で受け付けています。福祉サービス(放課後等デイサービスなど)の利用を検討する際は、まず市の窓口で受給者証の申請手続きについて確認することになります。
※窓口の正式名称・所在地・受付時間は、さいたま市公式サイトで最新情報をご確認ください。
相談支援事業所という選択肢
「相談支援事業所」は、障害のある子どもが福祉サービスを利用する際に、保護者と一緒に支援計画を作成し、継続的にサポートする専門機関です。学校でも医療機関でもなく、福祉制度に基づいて動く第三の相談先として位置づけられます。さいたま市内にも複数の相談支援事業所があり、子どもの状況や家庭の希望に応じた計画作りを支援していますさいたま市内にも複数の相談支援事業所があり、子どもの状況や家庭の希望に応じた計画作りを支援しています。

相談支援事業所とは何か|役割と利用の流れ
障害児支援利用計画の作成とモニタリングを担う
相談支援事業所の主な役割は、「障害児支援利用計画」の作成と、その後の定期的なモニタリングです。障害児支援利用計画とは、子どもがどのような福祉サービスをどのように利用するかを整理した計画書のことです。放課後等デイサービスや児童発達支援などの福祉サービスを利用する際には、この計画書が必要になります。
計画の作成にあたっては、保護者や子ども本人の希望を丁寧に聞き取り、生活全体を見渡した支援の方向性を一緒に考えます。作成後も定期的に状況を確認し、必要に応じて計画を見直すモニタリングが行われます。作成後も定期的に状況を確認し、必要に応じて計画を見直すモニタリングが行われます
利用料は原則自己負担なし(市区町村負担の仕組み)
相談支援事業所によるサービス(障害児支援利用計画の作成・モニタリング)は、児童福祉法に基づく公的な制度であり、費用は市区町村が負担する仕組みになっています。そのため、保護者の自己負担は原則ありません。
※自己負担額の扱いは市区町村の制度によって異なる場合があります。詳細はさいたま市の担当窓口または相談支援事業所に直接ご確認ください。
相談支援事業所を利用するまでの大まかな流れ
利用の流れは、おおむね以下のようになります。
- 市の福祉窓口(障害福祉担当)に相談し、受給者証の申請手続きを行う
- 相談支援事業所を選び、担当者と面談する
- 子どもの状況や家庭の希望をもとに、障害児支援利用計画を作成する
- 計画に基づいて福祉サービスの利用を開始する
- 定期的なモニタリングで計画を見直す
診断書がなくても相談できる場合がありますが、受給者証の申請には医師の意見書等が必要になるケースがあります。具体的な要件はさいたま市の窓口にご確認ください。診断書がなくても相談できる場合がありますが、受給者証の申請には医師の意見書等が必要になるケースがあります
「学校復帰だけが正解ではない」という視点での支援計画
不登校の子どもに「学校以外の学び場」を考える意味
不登校の状態にある子どもにとって、「いつ学校に戻れるか」という問いが常にプレッシャーになることがあります。一方で、学校以外の場所で学びや社会とのつながりを持つことが、その子どもにとって適切な選択肢になるケースもあります。
フリースクール、オンライン学習、地域の居場所、IT教育の場など、学校の外にも学びの環境は存在します。こうした選択肢を視野に入れながら支援計画を考えることが、子どもの状態に合ったサポートにつながることがあります。
柔軟な計画作成ができる相談支援事業所の特徴
相談支援事業所によっては、「学校復帰」を前提とせず、子どもの特性や家庭の状況に合わせた柔軟な支援計画を作成することを重視しているところがあります。既存の福祉サービスの枠にとらわれず、IT教育の現場など学校以外の学び場との連携を視野に入れた提案ができる事業所も存在します。
どのような支援の方向性を大切にしているかは、事業所によって異なります。相談の際に「学校以外の選択肢も含めて考えたい」という希望を伝えることで、自分の家庭に合った事業所かどうかを確認することができます。
こども相談支援 Un-School計画への相談について
対象者・対応地域・営業時間
「こども相談支援 Un-School計画」は、2024年にさいたま市浦和区に開設した相談支援事業所です。福祉サービスの利用を検討している保護者を対象に、障害児支援利用計画の作成と継続的なモニタリングを行っています。
- 対象年齢:未就学児〜高校生
- 対応地域:埼玉県さいたま市周辺
- 料金:自己負担なし(市区町村負担)
- 所在地:埼玉県さいたま市浦和区上木崎1-7-1 近代模型ビル2・3階
- 営業時間:月曜日 10:00〜17:00(※他の営業日については公式サイトでご確認ください)
「学校以外の選択肢を作る」という視点を大切にしており、IT教育現場との連携も含めた柔軟な計画作成を特徴としています。
相談の入り口と公式サイト
どのような相談ができるか、自分の子どもの状況で利用できるかどうかについては、まず公式サイトで内容を確認してみてください。相談の流れや対応内容について詳しく掲載されています。
「まだ診断が出ていない」「どの窓口に行けばよいかわからない」という段階でも、相談支援事業所に問い合わせること自体は可能です。一人で抱え込まず、まず情報を集めることから始めてみてください。