こんにちは、CotoMirai代表の勝村航太です。
「なんで学童保育もやってるんですか?」「プログラミング教室と予備校って、関係あるんですか?」
よくこんな質問をいただきます。確かに、一見バラバラに見える事業を展開しているように思われるかもしれません。
でも実は、これらすべてに共通する一つの大きなテーマがあるんです。それが「学校っぽくない学び」の実現です。
今回は、なぜ私がプログラミング、学童、予備校という3つの事業を同時に進めているのか、そしてその背景にある想いについてお話ししたいと思います。
きっかけは「教育の出口」への問題意識
私がこのような総合的なアプローチを考えるようになったきっかけは、法政大学大学院キャリアデザイン学研究科での学びでした。
埼玉大学でプログラミング・STEM教育に関わっていた時、小学生の頃は目を輝かせてロボットやプログラミングに取り組んでいた子どもたちが、中学生になると塾や受験に「絡め取られちゃう」ことがとても多かったんです。
せっかく育った「学びの構え」や「自分で考える力」が、従来の詰め込み型教育で潰されてしまう。これがとても歯痒くて、キャリアデザインの勉強を始めました。
「教育の出口をしっかり考えないといけない」と切に思ったんです。
Un-School構想:3つの事業を貫く理念
現在展開している事業は以下の3つです:
- CotoMirai(プログラミングスクール)
- じぶんごとラボ(学童保育)
- 予備校事業(準備中)
そして今後、放課後等デイサービスも加わる予定です。
これらを貫くのが「Un-School構想」、つまり「学校っぽくない学び」の理念です:
- みんな同じ時間に同じところで、同じ内容を学ばなくてもいい
- 自分のやりたいことをやりたいと言える
- 自分に合った学び方を知っている
- 自分のキャリアを自分で切り拓ける
学童保育から始まった「保育と教育の境界線」への挑戦
市川「じぶんごとラボ」でのコンセプト作り
2021年に市川で開設した学童保育「じぶんごとラボ」では、コンセプト作りから関わらせてもらいました。
一般的な学童保育は「保育」の側面が強く、「教育」の要素はあまり重視されていません。でも、子どもたちが放課後の時間を過ごす場所として、本当にそれでいいのでしょうか?
じぶんごとラボでは、以下のような特徴を持たせました:
子どもの主体性を重視
- やりたいことを子ども自身が選択できる
- 大人が一方的に決めた活動を強制しない
- 子ども同士の対話を大切にする
学びの要素を日常に組み込む
- プログラミングやものづくりの時間
- 読書や調べ学習のサポート
- 異年齢交流を通じた学び合い
個別のニーズに対応
- 宿題のサポートも画一的ではなく個別対応
- 発達特性のある子どもへの配慮
- 家庭との密な連携
「学校的なもの」の侵食との戦い
学童保育の現場で感じるのは、「学校的なもの」が侵食してくることへの危機感です。
例えば:
- 一斉に同じ活動をさせる
- 宿題の管理を厳格に行う
- 規則で縛って統制を図る
これらは、確かに運営は楽になりますが、子どもの主体性や創造性を育てるという観点では疑問があります。
保育と教育の境界線で、本当に子どもたちのためになる環境作りをどう実現するか。これが大きなテーマになっています。
プログラミング教育:「手段」としての位置づけ
CotoMiraiの役割
CotoMiraiでのプログラミング教育は、Un-School構想の中核的な役割を果たしています。
なぜプログラミングなのか?
- 個別最適化しやすい:一人ひとりのペースや興味に合わせやすい
- 創造性を発揮できる:正解が一つではない課題に取り組める
- 論理的思考を育てる:将来どんな分野に進んでも役立つ
- 失敗から学ぶ体験:エラーを恐れない姿勢を身につけられる
3歳からの幼児プログラミング
特に力を入れているのが、3歳からの幼児プログラミング教育です。この年齢では、プログラミングスキルを身につけることよりも、「学びの構え」を育てることが目的です:
- 探求心:「なんでだろう?」「どうなるんだろう?」という好奇心
- ことば:自分の考えを表現し、人に伝える力
- 情報活用:問題を見つけて、解決方法を考える力
個別指導へのこだわり
CotoMiraiでは、講師1人に対して生徒2〜3人の個別指導を基本にしています。
集団授業の方が効率的ですが、「学校っぽくない学び」を実現するためには、一人ひとりに合わせたアプローチが不可欠です。
その子の興味関心、学習ペース、得意・不得意を把握して、既存のカリキュラムをカスタマイズしながら指導を進めています。
予備校事業:思想の転換
「学習塾は必要悪」からの転換
正直に言うと、もともと私は「学習塾って必要悪で、できれば世の中から消えてくれればいい」と思っていました。
詰め込み型の学習、偏差値至上主義、画一的な指導。これらは、私が目指す「学校っぽくない学び」とは正反対だからです。
なぜ予備校事業を始めるのか
それでも予備校事業を始めることにした理由は2つあります:
1. 方法論がポリシーに反しない
今回提携予定の予備校は、従来の詰め込み型とは全く違うアプローチを取っています。一人ひとりの特性に合わせた個別最適化学習で、「学び方を学ぶ」ことを重視しています。
2. 教育の出口問題への対応
どんなに素晴らしい小学生教育をしても、高校受験・大学受験の壁にぶつかった時、従来の詰め込み型教育に飲み込まれてしまうことが多いんです。
それなら、受験という制度は活用しながらも、「学校っぽくない学び」の理念を持った予備校があればいいじゃないか、と思ったんです。
新しい学習手法の可能性
準備中の予備校では、以下のような特徴を持たせる予定です:
- 個別最適化された学習計画
- AI技術を活用した効率的な学習
- 暗記より理解を重視したアプローチ
- キャリア教育と連動した目標設定
受験勉強を通じて、「自分で学ぶ力」を身につけることができれば、それは大学進学後も、社会に出てからも活かされるはずです。
放課後等デイサービス:福祉制度からのオルタナティブ教育
ビジネス的には飽和していると言われるけれど
放課後等デイサービスは「ビジネス的には飽和している」と言われることがあります。確かに事業所数は多いかもしれません。
でも、私がやろうとしているのは、単なるビジネスではありません。「学校的なものにうまく馴染めない、壁を感じる子どもたちの居場所作り」が目的です。
福祉制度を活用したオルタナティブ教育
学校制度の中でのオルタナティブ教育には限界があります。でも、福祉制度を活用すれば、もっと自由度の高い教育環境を作ることができるんです。
放課後等デイサービスでは:
- プログラミングを軸にした療育プログラム
- 一人ひとりの特性に合わせた個別支援計画
- SST(ソーシャルスキルトレーニング)との連携
- 将来のキャリアを見据えた長期的支援
これらを通じて、障害のある子どもたちにも「やりたいこと」を見つけて、それを形にする体験を提供したいと考えています。
保護者・家族全体への支援
子どもだけでなく、家族丸ごとのサポート
3つの事業を展開する中で感じるのは、子どもの成長には家族全体のサポートが不可欠だということです。
学童保育じぶんごとラボでは:
- 働く保護者の方の負担軽減
- 子育てに関する相談やアドバイス
- 地域コミュニティとの連携
CotoMiraiでは:
- 定期的な保護者面談
- 家庭でのプログラミング活動のサポート
- 子どもの成長に関する情報共有
予備校では:
- 進路選択に関する家族カウンセリング
- 親子でのキャリア設計
- 受験ストレスへの対処法
「子育ての情報格差」への対応
特に意識しているのは、「子育ての情報格差」の問題です。
教育に関する情報や選択肢を知っている家庭と、そうでない家庭では、子どもの可能性に大きな差が生まれてしまいます。
私たちの事業を通じて、より多くの家庭に「多様な学びの選択肢」があることを知ってもらい、その子に合った最適な環境を見つけるお手伝いをしたいと考えています。
地域との連携:港区南青山での実践
アクセスの良い立地での実験
CotoMiraiの港区南青山教室は、青山一丁目駅・乃木坂駅から徒歩6分という好立地にあります。
この立地を活かして:
- 様々な地域から通いやすい環境
- 他の教育機関との連携
- 保護者の方の利便性向上
地域コミュニティとの関わり
単なる「習い事」の提供ではなく、地域の子育てコミュニティの一部として機能することを目指しています:
- 保護者同士の交流の場の提供
- 地域の教育情報の発信拠点
- 子どもたちの発表や交流の場
29歳・父親として感じること
1歳の息子を持つ父親として、この事業に対する想いは日々強くなっています。
自分の子どもに受けさせたい教育
「これは自分の子どもに受けさせたい教育だろうか?」
これが、すべての事業を考える上での基準になっています。
息子が成長した時、どんな教育環境があったらいいだろうか。どんな大人たちに出会ってほしいだろうか。そんなことを考えながら、事業を進めています。
次世代への責任
私たちが今作っている教育環境は、息子たちの世代が受け継いでいくものです。
目先の利益や効率だけでなく、「10年後、20年後の子どもたちにとって価値のある教育」を提供する責任があると感じています。
課題と今後の展望
現在直面している課題
1. 事業間の連携強化 3つの事業がバラバラにならないよう、より有機的な連携を図る必要があります。
2. スタッフの育成 Un-School構想を理解し、実践できるスタッフの育成が急務です。
3. 持続可能な経営モデル 理念を大切にしながらも、持続可能な経営を実現する必要があります。
今後の展望
短期的(1〜2年):
- 放課後等デイサービスの本格始動
- 予備校事業の開始
- 各事業間の連携システム構築
中期的(3〜5年):
- 他地域への展開
- オンライン教育の充実
- 大学や研究機関との連携
長期的(10年〜):
- Un-School構想の社会実装
- 教育制度への政策提言
- 次世代リーダーの育成
最後に:「やりたいコト」を大切にする社会へ
3つの事業を通じて実現したいのは、「やりたいコト」を大切にする社会です。
子どもたちが「僕はこれがやりたい」「私はこんなことに興味がある」と言えて、それを応援してくれる大人がいる。そして、それを実現するための多様な学びの場がある。
そんな社会を、一歩ずつ作っていきたいと思います。
学童保育で過ごした子どもが、CotoMiraiでプログラミングを学び、予備校で自分なりの進路を見つけて、将来は自分の「やりたいコト」を仕事にする。
そんなストーリーを、たくさん生み出していけたらと思います。
皆さんも一緒に、子どもたちの「やりたいコト」を応援する社会を作っていきませんか?
勝村航太の総合的子ども支援事業
現在展開中の事業
CotoMirai(プログラミングスクール)
- 所在地:東京都港区南青山1-15-40 ウィステリア南青山1階
- 対象:3歳〜中学生
- 特徴:個別指導による「学びの構え」育成
じぶんごとラボ(学童保育)
- 所在地:千葉県市川市
- 対象:小学生
- 特徴:子どもの主体性を重視した放課後環境
準備中の事業
放課後等デイサービス
- プログラミング療育プログラム
- 個別支援計画に基づくオーダーメイド支援
予備校事業
- 個別最適化学習システム
- キャリア教育と連動した進路指導
お問い合わせ
各事業の詳細や教育相談については、CotoMirai までお気軽にお問い合わせください。
Web: https://kids-mirai.jp/ 所在地: 東京都港区南青山1-15-40 ウィステリア南青山1階
一人ひとりの子どもの「やりたいコト」を一緒に見つけましょう。