保育所等訪問支援の回数に上限はある?支給量の仕組
結論:保育所等訪問支援の訪問回数は、受給者証に記載された「支給量(月あたりの利用可能日数)」が実質的な上限です。「法律で全国一律に月○回まで」という固定上限は存在せず、自治体が子どもの状況やサービス等利用計画をもとに個別に決定します。支給量が足りないと感じた場合は、相談支援事業所または利用中の事業所に相談し、変更申請を行うことで増やせる可能性があります。
「月に何回まで訪問してもらえるのか」「もっと頻繁に来てほしいけれど、上限があって増やせないのか」——保育所等訪問支援を利用中または検討中の保護者から、こうした疑問が寄せられることがあります。制度の仕組みを知らないまま「決まった回数しか使えない」と思い込んでいるケースも少なくありません。
先に結論を伝えると、保育所等訪問支援に「法律で定められた全国一律の月○回まで」という固定上限はありません。訪問回数の上限は、受給者証に記載された支給量によって決まり、必要性が認められれば変更申請によって増やせる可能性があります。以下で制度の構造から具体的な手順まで整理します。

保育所等訪問支援の訪問回数は何で決まるのか
保育所等訪問支援は、障害のある子どもが通う保育所・幼稚園・学校などに専門の支援員が訪問し、集団生活への適応を支援する障害福祉サービスです(さいたま市さくら草学園の公式情報によると、「保護者の希望により保育園等を訪問し、集団での適応のための助言・支援を行う」サービスとして提供されています)。
受給者証の「支給量」が上限になる仕組み
保育所等訪問支援を利用するには、市区町村が発行する障害児通所受給者証が必要です。この受給者証には、サービスの種類ごとに「支給量」が記載されており、これが月あたりの利用可能日数(訪問回数)の上限になります。
たとえば支給量が「月2回」と記載されていれば、その月に利用できる訪問は最大2回です。事業所との契約でいくら「もっと来てほしい」と希望しても、受給者証の支給量を超えた分は障害福祉サービスの給付対象外となります。
支給量は自治体が個別に決定する
支給量は、国が「全国一律で月○回」と定めているわけではありません。各市区町村が、子どもの障害の状況・生活環境・支援の必要性などをもとに個別に判断して決定します。そのため、同じような状況の子どもでも、住んでいる自治体によって支給量が異なることがあります。
実際の運用では、月1〜2回程度から始まるケースが多いとされていますが、これはあくまで実態としての傾向であり、法令上の上限ではありません。子どもの状況や支援目標によっては、より多い支給量が認められる場合もあります。
放課後等デイサービスの支給量とは別に設定される
放課後等デイサービスと保育所等訪問支援を両方利用している場合、それぞれのサービスに対して別々の支給量が設定されます。「放課後等デイサービスの支給量を使い切ったから保育所等訪問支援も使えない」ということにはなりません。受給者証を確認する際は、サービスの種類ごとに支給量が記載されていることを確認してください。
支給量はどのように決まるのか
支給量の決定プロセスを理解しておくと、申請時に何を伝えるべきかが明確になります。
サービス等利用計画(相談支援事業所が作成)が判断材料になる
支給量の申請にあたっては、相談支援事業所が作成する「サービス等利用計画」が重要な判断材料になります。相談支援専門員が子どもの状況を聞き取り、どのサービスをどのくらいの頻度で利用するかを計画書にまとめます。自治体はこの計画書をもとに支給量を決定するため、計画書の内容が支給量に直接影響します。
相談支援事業所を利用していない場合(セルフプランの場合)は、保護者自身が計画書を作成することになりますが、制度の複雑さを考えると、相談支援事業所に依頼するほうが実際の支援ニーズを適切に反映しやすくなります。
子どもの状況・訪問先の環境・支援目標が考慮される
自治体が支給量を判断する際には、主に次のような要素が考慮されます。
- 子どもの障害の状況や集団生活での困りごとの程度
- 訪問先(保育所・学校など)の環境や担任・職員との連携状況
- 支援目標(何を達成するために訪問するのか)
- 現在の支援体制(他のサービスとの組み合わせ)
たとえば、学校への登校が不安定で環境調整が急務な状況と、すでに安定して通えていて定期的な確認が目的の状況とでは、必要な訪問頻度が異なります。申請時には、子どもが今どのような場面で困っているかを具体的に伝えることが大切です。
自治体によって標準的な支給量の目安が異なる場合がある
自治体によっては、保育所等訪問支援の支給量について「標準的な目安」を内部的に設けているところもあります。ただし、この目安はあくまで参考値であり、子どもの状況によって上回る支給量が認められることもあります。「自治体の目安が月2回だから2回しか申請できない」と思い込まず、必要な回数を根拠とともに伝えることが重要です。
訪問回数を増やしたいときの手順
現在の支給量では足りないと感じた場合、変更申請によって支給量を増やせる可能性があります。手順は大きく3つのステップに分かれます。
まず相談支援事業所または利用中の事業所に相談する
最初のステップは、相談支援事業所または現在利用している保育所等訪問支援の事業所に「訪問回数が足りない」と伝えることです。
相談支援事業所は、サービス等利用計画の見直しを通じて変更申請をサポートする役割を担っています。「もっと頻繁に訪問してほしい理由」を具体的に伝えると、計画書の修正や自治体への働きかけをしてもらいやすくなります。利用中の事業所も、支援の現場で把握している子どもの状況を自治体に伝える際の協力者になります。
モニタリング時の見直しと随時申請の2つのタイミング
支給量の変更申請には、大きく2つのタイミングがあります。
①モニタリング(定期的な見直し)のタイミング
相談支援事業所は定期的にモニタリングを行い、サービス等利用計画が子どもの現状に合っているかを確認します。このタイミングで「訪問回数を増やしたい」と伝えると、計画書の見直しと合わせて変更申請を進めてもらいやすくなります。
②随時申請(モニタリング時期を待たない申請)
子どもの状況が急変した場合や、明らかに支援が不足していると判断される場合は、モニタリングの時期を待たずに随時変更申請を行うことができます。「次のモニタリングまで待つしかない」ということはありません。
自治体窓口への変更申請の流れ
変更申請の大まかな流れは次のとおりです。なお、必要書類や手続きの詳細は自治体によって異なるため、さいたま市の場合は各区の障害福祉担当窓口に確認してください。
- 相談支援事業所に相談し、サービス等利用計画の見直しを依頼する
- 相談支援専門員が子どもの状況を再アセスメントし、変更後の計画書を作成する
- 保護者が市区町村の障害福祉担当窓口に「支給量変更申請」を提出する
- 自治体が審査し、変更後の受給者証が発行される
申請から受給者証の発行まで数週間かかることがあるため、「今すぐ増やしたい」という場合は早めに動き出すことをおすすめします。
訪問回数や放課後等デイとの組み合わせについて相談できます
FabriCoでは2025年11月から保育所等訪問支援を開始しました。放課後等デイサービスとの組み合わせ方や、支給量・手続きに関する疑問もお気軽にご相談ください。
回数が足りないと感じたときの現実的な対処
変更申請を進めながらも、すぐに訪問回数が増えるわけではありません。申請中や申請が通らなかった場合でも、取れる行動はあります。
訪問の優先場面を事業所と相談して絞り込む
支給量の範囲内で最大の効果を得るには、「どの場面に訪問を集中させるか」を事業所と相談して決めることが有効です。たとえば、給食の時間・休み時間・特定の授業など、子どもが特に困りやすい場面に絞って訪問することで、限られた回数でも支援の効果を高めやすくなります。
放課後等デイサービスとの役割分担で補完する
保育所等訪問支援は「学校・園という場での環境調整」を担い、放課後等デイサービスは「子ども自身のスキルや自己肯定感を育てる場」として機能します。この2つは目的が異なるため、訪問回数が限られている場合でも、放課後等デイサービスでの支援を充実させることで補完できる部分があります。
放課後等デイサービスと保育所等訪問支援の違いと組み合わせ方は、この2つのサービスの違いと組み合わせ方を整理しています。
FabriCoの保育所等訪問支援と放課後等デイサービスの組み合わせ例
さいたま市与野・新都心エリアで放課後等デイサービスを運営するFabriCoは、2025年11月から保育所等訪問支援も開始しています(FabriCo公式サイト内記事より)。不登校の子どもが学校復帰を目指す際にも活用できるサービスとして提供しており、放課後等デイサービスと組み合わせて利用することが可能です。
FabriCoでは、3DプリンターやITツールを使ったものづくりを通じて自己肯定感とコミュニケーション力を育てる放課後等デイサービスを提供しています。集団が苦手な子ども向けに個別療育のコマも設定しており、学校での集団生活に向けた土台づくりと、保育所等訪問支援による学校環境の調整を並行して進めることができます。
訪問回数の設定は子どもの状況によって大きく異なります。学校復帰を目指している段階では頻度が高くなることもあれば、安定してきた段階では月1〜2回の確認訪問で十分なこともあります。支援計画と実際の子どもの状況を照らし合わせながら、事業所・相談支援事業所・自治体と連携して調整していくことが基本的な考え方です。
保育所等訪問支援の費用については、利用者負担は原則1割で、世帯の住民税課税状況に応じた月額上限(0円・4,600円・37,200円の3区分)が適用されます(さいたま市さくら草学園の公式情報より)。支給量が増えても、月額上限を超えた分は公費負担となるため、費用面での不安は比較的小さいと言えます。最新の負担上限額は自治体窓口でご確認ください。
さいたま市の中学校での保育所等訪問支援の利用手続きでは、さいたま市の中学校での利用手続きについても詳しく解説しています。
よくある質問
保育所等訪問支援は月に何回まで利用できますか?
法律で全国一律に定められた上限回数はありません。受給者証に記載された「支給量(月あたりの利用可能日数)」が上限になります。支給量は自治体が子どもの状況や支援計画をもとに個別に決定します。
支給量を増やすにはどうすればよいですか?
まず相談支援事業所または利用中の事業所に「訪問回数が足りない」と相談してください。相談支援事業所がサービス等利用計画を見直し、自治体への変更申請をサポートします。モニタリングの時期を待たずに随時申請することも可能です。
放課後等デイサービスと保育所等訪問支援の支給量は別々ですか?
はい、別々に設定されます。放課後等デイサービスの支給量を使い切っても、保育所等訪問支援の支給量には影響しません。受給者証でサービスの種類ごとに支給量を確認してください。
変更申請が通らなかった場合はどうすればよいですか?
訪問の優先場面を事業所と相談して絞り込み、限られた回数で効果を高める工夫をすることが現実的な対処です。また、放課後等デイサービスでの支援を充実させることで、保育所等訪問支援の回数が少ない分を補完できる場合があります。
保育所等訪問支援の費用は訪問回数が増えると大きく変わりますか?
利用者負担は原則1割で、世帯の住民税課税状況に応じた月額上限(0円・4,600円・37,200円の3区分)が適用されます。支給量が増えても月額上限を超えた分は公費負担となるため、費用が大幅に増えることは少ないと考えられます。最新の上限額は自治体窓口でご確認ください。
参考・出典
- FabriCo公式サイト内記事:FabriCoが2025年11月から保育所等訪問支援を開始し、不登校の子どもの学校復帰支援にも活用できることを示す一次情報として使用
- さいたま市社会福祉事業団公式:保育所等訪問支援のサービス内容(保護者の希望により保育園等を訪問し集団適応のための助言・支援を行う)の説明に使用
- さいたま市社会福祉事業団公式:利用者負担は1割・月額上限制という費用の仕組みの説明に使用
保育所等訪問支援の利用について、まずは相談してみませんか
FabriCoはさいたま市与野・新都心エリアで放課後等デイサービスと保育所等訪問支援を提供しています。訪問回数の考え方や、お子さまの状況に合った支援の組み合わせについて、お気軽にお問い合わせください。